誰もが一度は耳にしたことがある「オバマケア」という言葉。タックスリターンに影響を与える場合もありますので、要点をおさらいしておきましょう。
オバマケアって何?
「オバマケア」とはThe Patient Protection and the Affordable Care Act(医療保障制度改革法)という法律のニックネームです。
この法律によりアメリカ国民全員が健康保険に加入することが義務づけられました。
国民全員が健康保険に加入することにより、ひとりひとりの医療費の負担を減らすこと及び医療の質の向上を目的として2010年度に発行され2014年1月から開始されています。
これにより変わった内容のうち保険に加入する側の私たちに関係のある部分をまとめると、
- 国民は健康保険に加入することが義務となり、未加入者にはペナルティーが課される
- 保険会社は病歴や妊娠中を理由に保険加入を拒否できなくなった
- 保険のカバーする最低基準が設けられた家族の収入と人数によってPremium Tax Creditと呼ばれる助成金が受けられるようになった
- 個人が健康保険に加入できる期間は年に一回のOpen Enrollment Periodに限られるただし結婚・離婚・失業・引っ越しなど一定の条件を満たす場合は期間外でも加入が出来る
- カリフォルニア在住の方は下記のいずれかの方法で健康保険に加入することになります。
海外旅行保険や駐在員保険などは条件を満たしませんのでご注意下さい。
保険プランについて
オバマケアでは保険の保障内容の比較を簡単にするために、保険プランをブロンズ・シルバー・ゴールド、プラチナの4つのレベルに分けました。
ブロンズが保険料が一番安くプラチナが一番高いプランです。ブロンズは医療費の約6割を、シルバーは7割、ゴールドは8割、プラチナは9割を保険でカバーするプランです。
ペナルティー(罰則)って?
オバマケアにより健康保険の加入が義務となったため、保険に未加入の方にはペナルティーが発生します。
2015年度の金額は「世帯収入の2%」か「一人につき$325(世帯最大$975)」のどちらか大きい方です。
そして2016年度「世帯収入の2.5%」か「一人につき$695(世帯最大$2,085)」となり年が進むごとに増えていく予定です。
ペナルティーはタックスリターン時に徴収されます。
助成金制度について
カリフォルニア在住の方は、世帯収入と家族の人数によっては「カバードカリフォルニア」というマーケットプレイスを通して保険を購入することで保険料の助成金を受け取ることができます。
ある程度収入があっても家族の人数が多い場合には助成金を受けられる可能性が高まります。
(2016年度は二人家族で$63720、4人家族で$97,000以下)
2016年度Open Enrollment Periodについて
2016年度の保険に申請が出来る期間は2015年11月1日から2016年1月31日までで、この期間を逃すと一定の条件(離婚や失業など)を満たす方以外は個人用の健康保険に加入が出来ません。(団体保険は別です)
なぜこのような制限が設けられたかというと、国民が病気になってから保険を加入すると保険会社のコストが上がり、保険料の値上がりを引き起こしてしまうためです。
健康保険の新規加入や見直しは期間中でないと出来ませんので、分からないことなどがあれば早めにご相談することをおすすめいたします。