アメリカの介護保険について2

2020年6月編集

前回は、平均的な介護費用についてご紹介いたしました。

介護保険は、この介護にかかる大きな費用負担を軽減し、財産を守るのに役立ちます。

介護保険には複数種類がありますが、大きく3つに分類されます。

① Traditional long term care
自動車保険と同じような、いわゆる掛け捨て型。
掛け金は他と比べると安いが、保険料の支払が一生続く点、保険料が値上がりする可能性がある点が懸念事項。
保険料の一部は税控除が可能。

②Partnership Plan
Traditional long term careかつ、Partnership Programを行っている州の条件を満たしたプランのことを指す。
これに加入している場合、Medicaidを使ったとしても一定の財産を守ることが可能となる。
以前は注目されたプランだったが、保険料がべらぼうに高騰し、かつ介護にならなければ全額掛け捨てになるため現実的ではないものとして存在している。

③Hybrid long term care
Life insurance(終身保険)との組み合わせとなっている商品。
特徴としては、介護にならなかった場合にも

①解約してCashで受け取る
②死亡保障として家族に残す

事が可能。
上限なく一生涯支払いの続くタイプや、もし日本に永久帰国を決めた場合には全額返金されるタイプなど
ご希望に合わせた設計が可能なことが多い。
ただし、保障を多くすればするほど保険料が高くなるため注意が必要。

このタイプの介護保険は、介護になるかならないかが分からない、場合によっては老後に日本に帰ることも想定している方にとっては使い勝手のいい保険です

介護保険ですので、介護状態になった時に一番大きな保障が得られますが、介護状態にならなかった場合にも死亡保障としてご家族にお金を残してあげる選択肢と保険を解約してそのお金をご自身の老後資金に充てることも可能です。

 

長い老後生活を守る保険ですので、ご自身のリタイアメントプランに合わせて各社の見積もりや保障内容を比較検討し、お考えに近いものをご選択ください。

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