オバマケアについて2

今回は健康保険のネットワークの仕組みやプランなどを含めてお話ししていきます。

アメリカの健康保険には様々な仕組みが混在していますが、その主流になっているHMO(Health Maintenance Organization)とPPO(Preferred Provider Organization)です。

PPO、HMOは、それぞれが医療機関と契約を結んで独自の保険システムを構築しています。PPOやHMOが構築したシステムを商品化して販売しているのが、KaiserやBlue Shieldといった保険会社です。

PPOとHMOの基本的な違いは何かというと、HMOは主治医を指定して、どの科にかかる場合も必ず主治医を通してHMOのネットワーク内の医師なり病院なりを紹介してもらって受診します。

それに対し、PPOはどんな専門分野のドクターでもネットワークの中から自分で選べます。

ただし、行く前にご自身で電話やインターネットからの情報なりで確認が必要です。また、ネットワーク外であっても一部は保険が効くという特徴もあります。

PPOもHMOもそれぞれ一長一短で、一概にどちらのシステムが優れているとは言い切れません。ご自身の住んでいる地域でのネットワークのカバー状況や、自分の受けたい治療や行きたい病院、そして月々の保険料などを比較して検討することをおすすめいたします。

オバマケアではすべてのプランで基本的な健康保険の補償項目10項目を提供しなければならないとしています。

10項目は以下の通りです。

オバマケア

特に予防ケアについては、カバーせねばならない項目が決められ、それらは無料で提供されなければならないことになりました。

特定のがん検診や糖尿病、婦人科検診もそれに含まれています。子どもについては別項目が決められており、予防接種、自閉症スクリーニングやカウンセリングなども含まれています。

オバマケアでは、保険の補償内容の比較を容易にするために、保険プランは、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4つのレベルに分けられました。

ブロンズは保険料が一番安く、プラチナが一番高いレベルです。

ブロンズは医療費の約6割を保険がカバーするプラン、シルバーは 7割、ゴールドは8割、プラチナは9割です。また、ブロンズ・シルバープランには年間の一定の自己負担額(Deductible)が高く設定されており、その金額に達するまでは全額自己負担となっています。

保険会社から直接購入する場合は必ずしも、シルバーとかゴールドという名前は保険プランについていませんが、基本的には、このレベル分けに沿って保険プランが作られています。

同じプラン、ネットワークをを選んでも選ぶ保険会社や住む地域によって保険料は異なります。

健康保険はいつでも加入できるものではなくなりました。新規加入や見直しはオープンエンロールメント期間中でないと出来ませんので、分からないことなどがあれば早めに相談しましょう。

2016年度のオープンエンロールメントは11月1日から2016年1月31日までで、2016年1月1日からの保障が欲しい場合の申込締め切りは12月15日です。

関連記事

最近の投稿

アメリカの個人年金保険(Annuity)について

2022年3月18日 北カリフォルニアローカル紙(Jweekly)掲載記事 今回は、アメリカのアニュイティーについてお話していきたいと思います。 アニュイティ-とは、一般的に個人年金保険と言われています。アニュイティーを […]

節税に使えるリタイアメントアカウント(IRA)

2022年2月18日 北カリフォルニアローカル紙(Jweekly)掲載記事 近年、日本でもIdecoやNISAのような節税のできるアカウントに注目が集まっています。 アメリカにも様々なリタイアメントアカウントがありますが […]

アメリカの介護保険について

2022年1月21日 北カリフォルニアローカル紙(Jweekly)掲載記事 ワシントン州では今年から公的な介護保険制度が始まることで話題になりましたが、アメリカで老後生活を迎える上で、介護保険(Long term car […]