教育シリーズ②寄付金と教育レベル格差

教育シリーズ第二回目は「寄付金と教育レベル格差」についてです。

(指図は省略。このコラムはJweekly10/23/2019に掲載されたものです。詳細はこちらをご参照ください:https://jweeklyusa.com/6297/columns/insurance/

●学校区によっては教育のレベルも違う?

日本と同じようにアメリカでも居住区によって通える学校区(School District)、そして通学校が決まります。この学校区によっては教育方針やレベルの差まで生じると言われていますが、その一つの理由は学校運営費の差。ここには寄付金も関わってきます。ご家庭によってはお子様たちが学校に行く年齢に達する前に希望の学校区内に引っ越しをする方々も多いほど学校区選び=教育レベルへの関心は高まってきています。前回のコラムでも書いたように、学校区の裁量によって決定可能な範囲は多義にわたり、小学校が5年間なのか6年間なのか、使用する教科書やカリキュラム、休日がいつになるかも異なります。

ではこの公立学校の財源は何かご存知ですか?日本の公立学校の財源はほぼ100%国と地方自治体の負担で成り立っているのに対して、アメリカでは地元の固定資産税(Property Tax)、連邦(Federal)、州(State)から交付される税金で賄われています。そこにプラスされるのが各家庭からの寄付金(ドネーション)です。この寄付金の額は学校運営をする上で重要な役割を占め、その差が教育レベルの差異に大きく関わるという訳です。

(指図省略)(出典:move2siliconvalley)

● 学校区によっては寄付金(ドネーション)の額も違うの?

違います。ではこの寄付金額の差はどこに現れるのでしょうか。それは音楽、図工、コンピューターサイエンス、体育、図書館、カウンセラー、STEM(STEAM)教育などです。日本では音楽や図工、体育が地域によって大きな差を生むことはないですね。しかしアメリカでは資金が足りないためにその授業自体が無くなってしまう、という現象まで起きます。カリキュラム自体は無くならなかったとしても、

音楽の授業で生徒一人ひとりに楽器の借用が可能か、アート(図工、美術)の授業で使用する資材にどこまで質の高いものを提供できるか、などに影響します。

ここシリコンバレーで各学校区から推奨される在学児一人あたりの年間寄付金額を見ると、隣合わせのごく近い学校区でありながら学校区Aでは250ドル、学校区Bは350ドル、その隣の学校区Cは1200ドルと差は歴然です。日本から引っ越してきたご家庭などはお子様達に英語補習プログラム(ELD:English Language Development)を期待される方も多いでしょう。このプログラムの有無、頻度も実は学校運営費の有無に関わってきます。そして管轄の学校区への寄付金に加え、学校それぞれへの寄付金、クラス費も求められることが多いです。

(指図省略)(出典:PPIC)

● ファンドレイジング(学校での資金集め)

行政からの補助と各家庭からの寄付金、それに加え各学校でPTAなどが行う「ファンドレイジング」で集められた資金も学校運営費に充てられます。文字通り「資金集め」のためのイベントですが、その種類も学校区や学校によって様々でとてもユニークです。ダンスパーティ、ウォーカソン(ウォーク(Walk)とマラソン(Marathon)を組み合わせた造語)、リードアソン(こちらも読む(Read)とMarathonの組み合わせ)、ラメージセール(Rummage Sale、日本でいうフリーマーケットのようなイベント)、カップケーキ・レモネードスタンド(学校内での売店)のようなイベントが年間を通して毎日どこかしらで行われています。運営は全て親によるボランティア活動が多いため運営費がかからない事も特徴です。

(指図省略)(出典:mdreducation)

今回は寄付大国と言われるアメリカでの寄付金と教育との関わりについて少し書いてみました。以後も教育シリーズ、続きます。

著:Insurance110サンノゼ店 水谷美保

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