
メディケアとは、65歳以上の高齢者及び障害者のための健康保険で、連邦政府が運営している制度です。
メディケアは、Part A、PartB、 PartC、PartD、MediGap(Medicare Supplement)などの各パートに分かれていて、それぞれ保険の適用範囲が定められています。PartAとPartBは「オリジナルメディケア」と呼ばれ、もっとも古くから存在し連邦政府により直接提供される部分です。
オリジナルメディケア
Part A:入院費用、ホスピスケア費用、在宅ケア費用をカバーします。
PartAはアメリカで10年以上働き納税をしていれば、保険料は無料です。また、働いたことのない配偶者も妻や夫のクレジットを使っての加入が可能です。受給については、一部の場合を除き、申請が必要です。
無料でPart Aを得る資格がなくても、一定の基準(65歳以上でPart Bに加入しており、市民権を持っているor5年以上居住のグリーンカード保持者など)を満たしていれば、納税期間に応じて$243もしくは$413(2017年度)の月額保険料を支払うことで加入が可能です。
Part B:入院以外の外来医療(検査やリハビリ、救急車等)をカバーします。
PartBは、Part Aでカバーしない費用の大部分をカバーします。月々の保険料は基本的に$134(2017年度加入の場合)ですが、所得に応じて保険料が高くなります。受給にあたっては決められた申請期間内の手続きが必要です。PartBでは予疾病防の費用など全額カバーするものもありますが、基本的に医療費の20%を自己負担(Coinsurance)、残りの80%をメディケアがカバーします。ただし、年間自己負担限度額の設定はなく、高額な医療費の請求がきてしまうこともあります。
オリジナルメディケアの自己負担金額表(2017年度)
【オリジナルメディケアでカバーされないもの(2017年度)】
Deductibles(免責)
Part Aでは一回の入院につき$1,316、Part Bの年間$183のDeductibleがあり、自己負担となります。
Part Bの20%のCoinsurance
先述の通り、PartBほとんどの医療費に20%の自己負担(Coinsurance)が発生します。自己負担のOut Of Pocket Limit(自己負担上限額)はないので検査、診断、治療が重なると、かなりの高額の自己負担になってしまう可能性もあります。また、医師やクリニックによって通常の20%の自己負担に加え、追加料金を負担せねばならない可能性があります。
処方箋(Drug)の費用
処方箋は、入院中の一部の例外を除いてほとんどカバーされません。
Dental, Vision, Hearing関係の費用
医療的に必要な歯科措置、眼科系の措置(緑内障テスト、白内障手術など)のみカバーしますが、それ以外のルーティンチェックや虫歯治療、入れ歯、眼鏡、補聴器などはカバーされません。
長期介護費用
一定の厳しい条件を満たせばナーシングホームの入院初期の費用、医療上必要な在宅ケア(Home Health Care)はカバーされますが、それ以外はカバーされません
代替医療費用
オリジナルメディケアでは針治療など代替医療はカバーしません。
米国以外の国での医療コスト
一部の例外を除いて、米国外での医療措置はカバーしません。
次回は、これらのオリジナルメディケアのカバーされない穴(gap)を埋めるために、利用することができる各種プランについてお話していきます。
メディケアへの加入は、決められた申請期限内に手続きをする必要がありますので注意が必要です。申請期間を逃がすとペナルティーがかかります。申請期間は個人によって異なりますので、65歳になる3か月前までにはソーシャルセキュリティー事務所か保険代理店へのお問い合わせ下さい。