個人年金について

アニュイティーとは、日本では一般的に「個人年金保険」と言われています。

このアニュイティーという保険商品を購入すると、将来にわたって、毎年・毎月など一定期間ごとに一定額が支払われる仕組みになっており、国や企業ではなく、個人で年金を作ることができます。

IRAや401Kなど、アメリカに存在する様々なリタイアメント資金用の運用手段の中でも、元本を超えても加入者が亡くなるまで、一生涯年金が受け取れる唯一の方法です。

アニュイティーの受け取り開始のタイミングの種類

Immediate Annuity
アニュイティーにお金を入金してから、すぐに受け取りが始まるタイプ。リタイヤメント準備のため投資で増やしてきた資金で、Immediate Annuityを購入し、リタイヤメント後の月々の定額受け取りをつくりだしたい時などの場合に使われます。

Deferred Annuity
アニュイティーにお金を積み立てる蓄積期間があり、その間にお金を運用して増やし、その後に受け取りが始まるタイプです。リタイヤメント準備のために、長年かけてアニュイティーに積み立てをコツコツと続けていきたい場合などに使われます。

アニュイティー(Deferred Annuity)の運用方法の種類

Fixed Annuity
積み立てられた資金に対して一定の固定利回りが適用され、契約時に定められた支給額を受け取るタイプ。リタイヤメント口座でいえば、PensionなどのDefined Benefit Plan(確定給付型)に似ています。

Variable Annuity
積み立てる資金を利用し、契約者自身がミューチュアルファンドなどによって運用し、その投資パフォーマンスに応じて支給額が決まるタイプ。リタイヤメント口座でいえば、401(k)などのDefined Contribution Plan(確定拠出型)に似ています。

Index Annuity
本来、Fixed Annuity(元本保証)に属するものですが、利率はS&P500やNasdaq-100などの株価指数の実績によって変動するものです。もし市場が下がっても、元本とそれまでに得た利息は保障されていますので 、お金が減るといった心配はありません 。

アニュイティーの受け取りのタイプ

一定期間受け取り
5年、10年、20年などの一定期間、受け取りをします。その一定期間内に本人が死亡した場合は、残りの期間はBeneficiaryが受け取りをします。

生涯受け取り
本人の生存している限り、受け取りが続きます。夫婦型もあり、どちらか一方が生存している限り支払いが続きます。

一定期間の保証付 生涯受け取り
“Life with a 10 year period certain”などのように、一定期間の受け取り保証がついた生涯受け取り型。一定期間内(この場合は指定の10年間)に本人が死亡した場合は、Beneficiaryが残りの期間、年金を受給することができます。本人が10年を超えて生存すれば、生存している間は年金受給が続きます。

税金上の取り扱いとペナルティー

アニュイティに入れる資金は課税後所得であり、税金控除はありません。

しかし、運用利回りは税遅延が適用され、受け取りをするときまで課税が遅らされます。あくまでも、これはリタイアメント資金のための税優遇であるため、401KやIRAなどと同じく59歳半前に引き出しをすると、利回り部分はインカムタックスの課税対象となり、また10%のペナルティも発生します。

また、お金を預けられてから早期にご解約される場合は、サレンダー・チャージがかかる可能性があります。

自分の老後を長い間、守ってくれる個人年金ですので、様々なタイプを比較して、ご自身のプランにあったものをお選びください。

日本と比較して、アメリカは個人年金保険は種類も豊富で、魅力的なものがたくさんあります。せっかくアメリカに住んでいらっしゃるのであれば、加入のチャンスがあるうちに、ぜひ一度は話を聞いてみてはいかがでしょうか?

 

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