アメリカの個人年金保険(Annuity)について

2022年3月18日 北カリフォルニアローカル紙(Jweekly)掲載記事

今回は、アメリカのアニュイティーについてお話していきたいと思います。
アニュイティ-とは、一般的に個人年金保険と言われています。アニュイティーを購入すると、将来にわたって、毎年・毎月など一定期間ごとに一定額が支払われるし仕組みになっており、国や企業ではなく、個人で年金を作る保険商品です。IRAや401K など様々なリタイアメントの運用手段の中でも、元本を超えても自分が死ぬまで一生涯年金が受け取れる唯一の方法です。

アニュイティーの受け取り開始のタイミングの種類

Immediate Annuity: アニュイティーにお金を入金してからすぐに受け取りが始まるタイプ。リタイヤメント準備のため投資で増やしてきた資金で、Immediate Annuityを購入し、リタイヤメント後の月々の定額受け取りをつくりだすような場合に使われます。

Deferred Annuity: アニュイティーにお金を寝かせる期間があり、その間にお金を運用して増やし、その後に受け取りが始まるタイプ。リタイヤメント準備のために運用も合わせておまかせする場合に使われます。

 

アニュイティー(Deferred Annuity)の運用方法の種類

Fixed Annuity: 積み立てられた資金に対して一定の固定利回りが適用され、契約時に定められた支給額を受け取るタイプ。リタイヤメント口座でいえば、PensionなどのDefined Benefit Plan(確定給付型)に似ています。

Variable Annuity: 積み立てる資金を利用し、契約者自身がミューチュアルファンドなどによって運用し、その投資パフォーマンスに応じて支給額が決まるタイプ。リタイヤメント口座でいえば、401(k)などのDefined Contribution Plan(確定拠出型)に似ています。

Index Annuity :本来、Fixed Annuity(元本保証)に属するものですが、利率はS&P500やNasdaq-100などの株価指数の実績によって変動するものです。もし、市場が下がっても元本とそれまでに得た利息は保障されていますので お金が減るといった心配はありません 。リタイヤメント口座でいえば、401(k)などのDefined Contribution Plan(確定拠出型)に似ています。

 

アニュイティーの受け取りのタイプ

一定期間受け取り: 5年、10年、20年などの一定期間、受け取りをします。その一定期間内に本人が死亡した場合は、残りの期間はBeneficiaryが受け取りをします。

一生涯受け取り: 本人の生存している限り、受け取りが続きます。夫婦型(Joint)もあり、どちらか一方が生存している限り支払いが続きます。

一定期間の保証付 生涯受け取り: “Life with a 10 year period certain”などのように、一定期間の受け取り保証がついた生涯受け取り型。一定期間内(この場合は指定の10年間)に本人が死亡した場合は、Beneficiaryが残りの期間支払いを受けます。本人が10年を超えて生存すれば、生存している間は支払いが続きます。

 

税金上の取り扱いとペナルティー

アニュイティーに入れる資金が課税後所得の場合税金控除はありませんが、運用利回りは税遅延が適用され、受け取りをするときまで課税が遅らされます。受取時には運用益分にのみ課税がされます。また、401KやIRAからお金を移して(Rollover)アニュイティ-を購入することも可能です。その場合は、受取時の年金は全額課税されます。
アニュイティ-にはリタイアメント資金のための税優遇(税遅延)があるため、59歳半前に引き出しをすると、利回り部分はインカムタックスの課税対象となり、またペナルティ課税もかかります。さらに早期解約の場合には、サレンダー・チャージ(早期解約控除)もかかる可能性があります。

自分の老後を長い間、守ってくれる個人年金ですので、さまざまなタイプを比較してご自身のお考えにあったものをお選びください。

日本と比較して、アメリカは個人年金保険は種類も豊富で魅力的なものがたくさんあります。
せっかくアメリカに住んでいらっしゃるのであれば、加入のチャンスがありますのでぜひ一度は話を聞いてみることをお勧めいたします。

 

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