アメリカの介護保険について

2022年1月21日 北カリフォルニアローカル紙(Jweekly)掲載記事

ワシントン州では今年から公的な介護保険制度が始まることで話題になりましたが、アメリカで老後生活を迎える上で、介護保険(Long term care insurance)を検討しておくことは大切です。介護保険とは、病気や事故・高齢化などによって長期介護が必要になった時に備える保険です。日本の様に公的な「介護保険」のないアメリカでは、介護が必要になった時に高額なお金がかかります。リタイアメント資金をある程度貯めてあっても、長引く介護により予想外に早く底をついてしまうことも想定されます。

65歳以上の方向けの医療保険である「メディケア」では医学的に治療が必要という部分のみのカバーであり、高齢になって日常動作に支障をきたす場合などは全くカバーされません。このようなメディケアによるカバーは介護費用全体の5%程度と言われています。
また、一定未満の所得者・障害者に対しては、「Medicaid」(カリフォルニアではMedi-Calと呼ばれています。)でも介護費用がカバーされます。ただ、Medi-Calの適用を受けるためには、財産・収入が厳しく制限されており、例えば車は1台まで、現金は$2,000までなどです。年金などの収入もほとんど介護費用にあてなければなりません。Medi-Cal患者を受け入れてくれる施設も限られています。
そのため、自分自身での備えをしておくことが大切になります。

こちらの表をご覧いただくと、在宅ケアでも月々$6,000はかかる計算になります。
そして、この介護費用は毎年毎年値上がりを続けているのが現状です。
介護保険は、この介護にかかる大きな費用負担を軽減し、財産を守るのに役立ちます。介護保険には複数種類があり、給付額、待ち期間、給付期間、インフレオプション、健康状態、年齢、性別、割引、掛捨or積立、などによって保険料が変わってきます。

介護保険プランの一例

~55歳女性の一時払いプラン(インフレオプション付なし)の場合~
保険料一時払:約$80,000

☆介護になった場合の保障:
$6,000/月(最低保証6年、通算$432,000)

☆死亡した場合の保証
$144,000(介護給付を受けていた場合、差し引かれる。最低保証$28,800)

☆解約した場合の保証:
6年目歳以降 $80,000(100%返金保証)

このタイプの介護保険は、介護になるかならないか分からない、場合によっては老後に日本に帰ることも想定している方にとっては使い勝手のいい保険です。
介護保険ですので、介護状態になった時に一番大きな保障が得られますが、介護状態にならなかった場合に死亡保障としてご家族にお金を残してあげる選択肢と、もしも日本に帰国が決まった場合には保険を解約してそのお金をご自身の老後資金に充てる選択肢が選べます。(加入から6年目以降の解約は100%返金保証あり)
もちろん、保険料は月々の支払いも可能ですし解約金保証のいらない方向けのプランもございます。長い老後生活を守る保険ですので、ご自身のリタイアメントプランに合わせて各社の見積もりを比較し、お考えに近いものをお選びください。

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